僕が学生時代を謳歌したのは、バブルまっさかり。
街は深夜までギンギンに輝き、ディスコ、クラブでは派手な照明設備が惜しげもなく
お立ち台のギャルたちを照らしていました。
だれも省エネなんてしみったれたことは考えていなかった時代です。
それから25年。
経済は停滞して学生がディスコに夜な夜な繰り出したり、車を乗り回したりすることもなくなりました。
住宅の断熱化、家電や冷暖房機器の省電力化が進み、生活も地味になったので、
さぞかしエネルギーの消費量は減ったことでしょう。
ところが・・
右上のグラフを見てください。
2009年の家庭部門のエネルギー費量は1985年ごろに比べて1.4倍ぐらいに増えています。
その下の内訳のグラフを見てみると、
冷暖房というのは家庭全体のエネルギー消費量の25%程度にすぎないことがわかります。
これには驚かれる人が多いのではないでしょうか?
冷房などわずか2%にすぎません。
高断熱高気密化を一層にすすめる事によってこの25%を圧縮することで得られる省エネルギー効果は限定的です。
(高断熱で「快適性」が高くなるのは間違いありませんが。)
その下の電力消費量のグラフを見てみましょう。
大きく増えているのは、「家電・照明」なのです。
テレビが大型化し1家庭あたりの台数も増え、パソコンなどの情報機器も増えました。
照明はいまや悪名高き白熱球よりも消費電力の低い蛍光灯が増えているはずですが、必要以上に明るくするためにやはり電力消費量は大きくなっているものと思われます。
(これがLEDになればさすがに消費電力は小さくなると思いますが、製造するときのエネルギーはどうなのでしょうか?)
給湯の電力消費量が大幅に増えてるのはオール電化の推進でしょう。
一番下のグラフで電気の割合が1965年比で2倍になっているのがわかります。
省エネルギーを実現するなら、
変えなければならないのは、私たちの生活のありようなのです。
いくら技術が進歩しても省エネルギーにはつながらない。むしろエネルギー消費は増えます。
住宅には一定の断熱性能は必要です。でも1年を通した住みやすさはそれだけでは語れません。
そして、宇宙服のように機密性を高めても、全体としての省エネルギー効果はそれほど期待できないのです。
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