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「八街の家」建て方 木組みの構造が立ち上がるまで

当事務所で設計・分離発注により千葉県八街市に建築中の「八街の家」が上棟しました。

「刻み」と呼ばれる材料の加工から屋根の架構が立ち上がる「上棟」までの様子をレポートします。

 

千葉県産の自然乾燥材を使用し、大工による手刻みで柱や梁の接合部である「仕口」や「継手」を加工しました。

 

下小屋と呼ばれる加工場で全ての構造材を加工します。

伝統的な仕口・継手はプレカット機械では加工できないので、大工の手により加工されます。

 

 

仕口・継手のバリエーションは多岐に渡ります。

設計図には詳細な加工までは書いてありません。全て親方の頭のなかで組み立てられます。

クリックしてスライドを御覧ください。

 

 

基礎の配筋が完了しました。

スラブの上に立上りのないフラットベット基礎なので、地中に高さ400ミリの梁が入ります。

木造の基礎としてはかなり頑丈な作りです。

 

 

いよいよ構造体を立ち上げる「建て方」が始まります。

まず、平らな基礎の上に「土台」を敷いていきます。

 

 

角の柱、通し柱は土台より太い150ミリ角、大黒柱は180ミリ角なので土台の上には載せずに、基礎上に直接建てます。

土台はホゾで差し込み、側面から「割楔」を入れるので、決して抜けることはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下から順に、土台(120x120)、足固め(120x120)、貫(30x105)、タバコは大きさの比較のためではなく大工さんが置いたものです。(^^)ただいま一服中。

 

同時に貫と足固めを入れながら柱を立てていくのは至難の業です。

両側から足固めの長いホゾが刺さってくるので、持ち上げながら少しずつ叩き込んで行きます。

特に角は大変です。

 

 

貫が5段入った様子。これが耐震壁になります。

 

 

左の写真をクリックしてスライドショーを御覧ください。


無事、建て方が終わり最後に上棟式を行います。

 

根本建設社長ににわか神主を努めて頂きました。

なかなか上手な祝詞でした。

現場に不慣れなお施主さんも頑張って四方をお神酒で清めました。

 

 


 

1日目の土台敷きは好天だったものの、2日目は強風と土埃、3日目は午前中雨が残り大変寒い中の建て方でしたが、最後は晴れました。

終わりよければすべてよし。

怪我人なく、無事に完了して本当に良かったです。

 

みなさん、お疲れ様でした!

 

 

 

3日間の建て方の様子をビデオ撮影しました。

長いので飛ばし飛ばし御覧ください。

 

かけや(でっかいトンカチ)の音が響く臨場感が伝わってきます。

人が働くものづくりの現場って本当にいいものですね。

 

1階、その1

 

 

1階、その2

 

 

1階、その3

 

 

2階、その1

 

 

2階、その2