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石積み学校@ときがわ町

先週末は埼玉県ときがわ町大野で開催された、「石積み学校」に二日間参加、重い石と格闘してきました (; ・`ω・´)

「主催はときがわ月イチ素人林業隊」さん。
山村でよく見られるセメントや鉄筋籠を使わない空石積みの擁壁は、景観として美しいだけではなく、手入れさえしていけば耐用年数は無限です。
村の材料を使って村人の手で作られてきたものですが、これからはいろんな方法で他所の人が参加して維持していく必要があるでしょう。

このように崩れてしまった石積み擁壁。指導はは徳島県雄勝町の石積み学校、金子玲大さん。毎週のように全国に出張して石積み学校を開催している。

 

 

まず崩れた土砂や石を取り除いて、「根石」を置くための「床掘り」をします。積んであった大きな石の裏にはグリ石という細かい割石が詰められている。とりあえず午前はここまで。

一日目の昼食はNPOときがわ山里文化研究所さんでうどんをつくっていただいた。

理事長によるNPO立ち上げ時の苦労話や活動内容に関してお話をうかがう。

よそ者だけでは駄目で、地元の人に仲間になってもらうのが大事との事。出来れば子供の時頃優等生で「あいつなら悪いことはしないだろう」と思われている人が良いそうです(笑)。

手作りの窯で竹炭を焼いているという。かなり本格的な窯。

現場近くの土木遺産、七重川砂防堰堤群。石積みを実際にやってみるとちょっと考えられない規模の大きさ。数十年かかったようです。

下流にも延々と続く。

午後の作業。根石を置いていく。ここの石は大きく「メチャメチャ重い!」と金子さん。石を動かすこつは力を入れないことで、無理に持ち上げようとすると腰を痛める。重いからと行って二人でやると指を挟みやすい。

一日目夜は古民家民泊「ほっこり堂」に投宿。参加者、講師の金子さん、主催者の三橋さん、オーナー親子とで鍋をつつきながら田舎暮らし談話を楽しむ。

 

台所は土間。ポリカの天窓が豪快。20年ほど放置されていた家を20万円で購入したという。


ワイルドだろう?(古)

ワイルド過ぎるだろ! ((((;゚Д゚))))

翌日は快晴。それにしても景色の良いところだな、ときがわ。

林間の細道を抜けると絶景の茶畑も。

石が重すぎて途方に暮れた一日目だったが、二日目は電気工事業を営む参加者のKさんがチェーンブロックを持参。一躍先生を凌ぐヒーローとなる。

重い石を一つ一つ最適な向きに調整して置いていく根気のいる作業。

昼は近所のカレー屋さん「山ぼうし」。カレーに加えて高麗川名物「辛モツ」というから〜いモツ煮を出していただいて汗だくに。

修復作業は2箇所で行っていて、上の段は石がそれほど大きくなく着々と進む。表に出る大きな石の裏にグリ石という割栗石を入れるのが肝。これで水や空気が通って崩れにくくなる。上段が畑の場合は土の環境も良くなるはず。次の選挙公約は「コンクリートから石へ!」でどうですか?

遣り方の糸を張って傾斜を合わせる。

頂上に平たい「天端石」を置いて石積みは完了。最後に土をかぶせたら完成!

下の段は残念ながらここまで。雨が降って土がかぶらないようにブルーシートで養生して帰る。

石積みが蘇って梅の花が映えるようになりました。

 

一緒に働いた参加者のみなさん、お疲れ様でした!重い石と格闘する人、土と石を振り分けたり運んだりする地味だけど大事な仕事をする人、誰も指図しなくても自然と持ち場に別れて整然かつ楽しく働けました。

講師の金子さん、そして昼食、NPOの講話、温泉、宿と素晴らしくアテンドしてくれた月イチ林業隊の三橋さん、ありがとうございました!

石積みは一日にしてならず。また参加したいと思います。