長野県安曇野市に建てられていた古民家の構造材を千葉県佐倉市に移築して新築住宅の構造として使うプロジェクトです。
昨年11月2日に安曇野で解体を行い、今年1月24日に千葉県八街市の根本建設に移送、搬入を行いました。
4月末ころから古材、新材の墨付け、加工を初めて間もなく終了を迎えようとしています。
今月中に敷地で建て方を行う見込みです。
元は新潟に建っていた、納屋や作業場のような建物だということで、雪国らしい太い部材と手斧削りの荒々しい仕上げが特徴です。
雪国の斜面で曲がりながら育った「鉄砲梁」が中央の45cm角の太さの牛梁に6本かかっている架構が迫力があります。
半日ほどかけて解体作業が行われました。
差し鴨居2方向から交錯する部位では「曳き独鈷」とよばれる仕掛けが施されていました。
両側に30cm以上差し込まれた牛梁は建っている状態では抜くことは不可能です。門型に組まれたままクレーンで吊りました。
再び建てる時も組んでから建て起こします。
解体後に移送した千葉県の根本建設では、新たに壁を作る部分に貫の穴を彫ったり、腐食、破損しているホゾなどを補うなど、結構な量の墨付け、刻み作業が必要です。
当初は茅葺屋根だと思われます。屋根の構造は全て新材を刻んで作ります。
寄棟屋根の隅木が収まる部分の棟木と桁は複雑な形状になります。
差し金の使い方を熟知していないとできない仕事です。
軸組モデル。濃い色が古材、薄い色が新材です。
外壁は小舞土壁の上に焼杉板を張ります。
地域新聞に取り上げていただきました。